S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う
「あ、うん、おかえりなさい。……って、そうじゃなくて」
軽く振り向いて肩越しに言った朋久に、しっかり挨拶を返してから話を戻す。
「ね、朋くん」
「脱ぐぞ」
「え?」
「菜乃も一緒に入るか? 俺はべつにいいけど」
朋久がニヤリと不敵な笑みを浮かべる。バスルームの中にまで足を踏み入れたことに気づき、急いで後ろにぴょんと飛びのいた。
「は、入りませんっ」
結局は菜乃がいるのもかまわずに朋久がワイシャツを脱ぎはじめたため、顔がカーッと熱くなる。慌ててドアを閉めたら、中からクスッと笑う声が聞こえた。
(もうっ……!)
朋久のおかしな様子に首を捻りながら、ラッピングを済ませたクッキーを回収しにキッチンに向かった。