あお
「だって俺のに入ってなかったんだもん、いいだろ?」

ミートボールくらい、まぁいいけど…。もう食べちゃったし。
なんて馴々しいやつ…。

「あんた何年?」

「私はここの学生じゃありません」

「ふぅん。あんたも?」

「私は一年です」

「あ、そう。俺は一年だった。去年退学したんだ。でもここのメシが食いたくてやめてからもしょっちゅう来てるよ」

「そうですか…」

「そう。あっ、ヤバイ遅れる!ごちそうさん。サラダ残っちゃった、やるよ。じゃあ」

何か慌てた様子で、その人は足早に出て行った。

「やるったって…、見ず知らずの人の食べ残しを…ねぇ」

「ははは…」

もったいないから食べたけど。

「あ~おいしかったねぇ。朝から食べすぎちゃった。ふわぁ~…」

お腹いっぱいになり、私はのんきにあくびなんかしていた。

「井口さーん、英語が始まるよー」

「うーん、今行くよー!じゃ私行くね。舞子ちゃん、ちょっとでも寝たほうがいいからね!」

「うん、頑張ってねー」

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