あお
依子ちゃんは学業やバイトに励み、さて私はどうしましょう…

「そうだ、絵…」

文具屋さんでスケッチブックと色えんぴつを買い、近くの公園に行って、絵を描こうとベンチに座った。

けれども、やっぱりゆうべと同じだ…。
考えても、描けない…。

とりあえず、目に見えるものを描いてみようと思った。
すべりだい…、ブランコ…
この大きな木…
忘れられたボール…

なぜだろう…。
あんなに好きだった絵が、描くのも無理をしているし、おもしろくない…。
私は…おかしくなっちゃったんだろうか…?

それまで我慢していた涙が耐え切れず、あふれてきた。
いつまでたっても、とまらなかった………

いつの間にか、日も暮れかかっていた。

――キャハハハ…

人が来た。
私は公園を出た。きっと酷い顔になっているだろうと、うつむきながら歩いた。
どこまでも…

「はぁー…」

「でっかいため息」

「!?」

どこからか声が聞こえてきた。
私はキョロキョロとし…

「ここ、ここ。うーえ!」

< 14 / 100 >

この作品をシェア

pagetop