みうとうみ               ~運命の出会いは突然に~

「あ、ごめん」
 そう、まだ玄関の前にいた。


「おっ、いい匂い」

 今日は仕事が5時までだったので、帰ってから急いでシチューを仕込んでおいたのだ。

「ちゃんとした食事は久しぶりだよ」
 そう言って、大洋は3杯お代わりした。

「本当、おいしそうに食べるよね」
「だっておいしいから。ねえ、漬物ある? ずっと食べたかったんだよね」

「ちょっと待ってて」

 漬物を盛った皿をテーブルに置きながら、まだちょっと信じられない気持ちでいた。

 こうして目の前で大洋が食べて、飲んで、笑っていることが。
  
< 120 / 132 >

この作品をシェア

pagetop