みうとうみ               ~運命の出会いは突然に~
 食器の片づけを終えて隣の部屋に行くと、大洋は窓のそばに立って、外を眺めていた。

 遠くの雷光が見えた。

 それから、しばらくしてくぐもった雷鳴が聞こえた。

「すごい雨だったね。傘を貸してくれた日」
「不思議だな。出会いって」

まだ半年。でももっと長い時間が経った気がする。

「もし、神様がいるなら、美羽さんに会わせてくれてありがとうって感謝したいよ」

 大洋を見上げると、わたしの唇を指でそっとなぞり、それからキスをくれた。

 わたしは言った。
「幸せすぎて怖いぐらい」

「何言ってんだよ。まだまだこれから、ふたりで世界一幸せになるんだから」
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