みうとうみ               ~運命の出会いは突然に~
***

 翌々日。
 咲ちゃんにこの話をすると。
「美羽さん! すごい出会いじゃないですか! 映画みたい。それ、運命の相手ですよ、絶対」
「出会いって言ってもねえ。名前も何にも知らない相手だし」
「でも、いい男だったんでしょう?」
「一瞬のことだったからじっと見たわけじゃないけど、イケメンだったような。でもかなり若かったよ。絶対年下」
「年なんて関係ないですって。また会えるんじゃないですか? 同じ駅使ってるんだし。とにかく、その傘、常に持ってるべきですよ。再会したときのために」
 わたしは肩をすくめてみせた。
 
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