みうとうみ               ~運命の出会いは突然に~

「そんなことないと思うけど」

「いや、あるって。おれ、隠し事は嫌いだから、誰にでも仕事のこと話すけど、ものすごく引くか、好奇心丸出しであれこれ詮索するか、どっちかだよ」

 彼の表情が微妙に変化していた。

 彼が仕掛けたテストに合格したってことかな。


「なんか、嬉しいな。あなたみたいな人と出会えて」

 そう言ってから、今日一番の、思わず写真に納めたくなるような笑顔を見せた。

 たぶん……
 周囲から色眼鏡で見られて嫌な思いをしてるんだろう。

 ずっと笑顔を絶やさないから、悩みなんてまるでなさそうに見えるけど。

 
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