みうとうみ               ~運命の出会いは突然に~
「だって、ほかに何がある? きっついサービス業だぜ」

 出張ホストがどんなことをするのか知らないわたしはどう返していいかわからなかった。

「そうだよね。どんな仕事でも、その大変さはやってみないとわからないしね」

 彼は一瞬、大きく目を見開いて、それから大声で笑った。

「『やってみないと』ね。ははっ、まあそういうこと」

 なんか、変なこと言ったのかな。

 でも、またさっきまでの柔らかい表情が戻ってきて、ほっとした。

「精神的にも体力的にもけっこう大変。いろんな客がいるからね」

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