みうとうみ               ~運命の出会いは突然に~
「あ、グラス空いてる。なんか頼む?」
「そうだな。すみませーん」
 
 今度は柴崎じゃない店員さんが注文を取りに来た。
 
 それからはたわいのない会話に終始した。

 本当に楽しい時間だった。

 彼は話上手で、言うことがいちいち面白くて。
 3年分は笑った気がする。

 でも、感心したのは、客を揶揄するようなことを一度も言わなかったことだ。

 笑いを取ろうとして人の欠点をあげつらう人間は最低だと思っていたから、彼がそういう人間でなくてよかったと思った。

 それに見れば見るほどイケメン。

 それも楽しい夜をさらにパワーアップしてくれた要因でもある。


 
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