みうとうみ               ~運命の出会いは突然に~
 頭を抱えるわたしを気の毒げに、でもちょっとおかしそうな顔で眺めてる。

 彼は続けた。
 口の端にちょっと笑みを浮かべて。

「いくら据え膳でも酔っ払いはごめんだったから」

 わたしは違う意味でまたまた頭痛に襲われて、大げさに頭を抱えた。

「ベッドに寝かして帰ろうと思ったんだけど、おれも結構、酒入ってたし、疲れてちょっと座り込んだら、寝ちゃって、今起きたとこ」

「ご、ごめん。ぜんぜん覚えてない……」

「いいよ。別に。じゃ、帰るわ」

 よく考えても、よく考えなくても非は完全にこっちにある。

「ちょっと待って。おわびに朝ごはんぐらい作る……イタっ」

 二日酔いってこんなにつらいんだっけ。

 つーっ。

 頭のなかがずっとジャラジャラ大フィーバーしてる、うぁ……。
< 35 / 132 >

この作品をシェア

pagetop