みうとうみ               ~運命の出会いは突然に~
 いただきますとつぶやいて、箸をつけた。

「おいし……でも、うちに梅干しなんかあったっけ」

「おれ、いつも、マイ梅干しと昆布茶持参してるんだ。年寄りみてぇってみんなに笑われるけど。たまにオールのお客さんがいて。おれ、朝ごはん食べないとだめな人でさ。持ってれば、どこにいてもすぐ作れるだろ」

 話しながら、お茶漬けをかっこみ「やっぱ、うめー」と納得顔でつぶやいてる。

 なんか、意外。

「ああ、そうだ」わたしはよろよろと立ち上がって、冷蔵庫からぬか漬けを出した。

「わたしも朝食は和食。家で母親がずっとぬか漬けつけたから、なんかこれがないと物足りなくて」

 彼は目を輝かせた。

「うわあ。うまそう。いただきます」

 箸で器用に大根のぬか漬けをつまむ。

 その箸使いがとてもきれいだった。

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