みうとうみ               ~運命の出会いは突然に~
 手塚治虫の漫画が好きなで何度も読み返していたこと。

 ジェットコースターが苦手なところも同じだった。

 会っている最中、たいしたことは話していなかったけれど、不思議と話題に困ることはなかった。

 本当に他愛のない話だ。

 たとえば、小学校のとき、どこに遠足に行ったとか、中学のとき大洋(うみ)が友だちと廊下でホッケーの真似をして、先生に大目玉くらった話とか。

 そこに色気といえるようなものは、つゆほども介在していなかった。

 例えれば、部活や職場の先輩と後輩みたいな関係。

 でも、大洋といるのは本当に楽しくて、誘われればホイホイと出向いた。

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