みうとうみ               ~運命の出会いは突然に~
「他の連中とは違うと思ってたけど、あなたもやっぱり同じなんだ。心のなかで、おれを蔑んでいたんだな」

「ち、違う。そうじゃ……」

 大洋は眉を寄せて、腹の底から絞り出すように声を荒げた。

「違わないだろ!」

 おい、うるさいぞ!
 壁を叩く音と共に、隣の部屋から怒鳴る声がした。

 大洋はドアノブに手をかけた。

「今まで悪かったよ。つきまとって。もう、あなたには近づかないから、安心してよ」
 そう言い残して、雨が降りしきる闇のなかへ飛び出していった。



 どのぐらい、その場に立ち尽くしていたのかわからない。

 なんてことを言ってしまったんだろう。
 一番言ってはいけない言葉で、大洋を苦しめてしまった。


 大好きな大洋を傷つけてしまった。

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