みうとうみ               ~運命の出会いは突然に~

「……あの時の彼、大洋くんだったんだ。顔がよく見えなかったから気づかなかったけど」

「えっ? なんで彼のこと知ってるの?」

 あっ。
「咲ちゃん、まさか……大洋の客?」

 咲ちゃんは露骨に嫌な顔をした。

「やめてください。そんなんじゃないですよ。弟の高校の同級生なんです。部活が一緒で。でも、大洋くん学校やめちゃったから」

 きっと、そのことと、大洋が今の仕事に就くことになったことは関係する。

「咲ちゃん、その、大洋が学校をやめた話、詳しく教えてくれる?」

 
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