恋の誘導尋問~恋に不器用な先輩に捕われたい~
「遠慮せずにイってくれ。笑美がイクと俺も気持ちがいいんだ」

「ぁあっ……ぁっ、あああ!」

 目の前にある広い背中にぎゅっと抱きつきながら、上半身をしならせてイクと、ゆっくり動いていた俊哉さんの腰の動きがさらに激しくなる。絶頂が近づくにつれて荒くなる、俊哉さんの息が耳にかかるたびに、どうしようもなく体が震えてしまった。

「笑美のナカが良すぎてトロけそうだ。もっと長くひとつになって、いっぱい感じさせたい、のに……。くぅっ」

 私の呼吸を奪うように、強く唇を合わせて痙攣する俊哉さんをもっと感じさせたくて、できるだけナカを締める。下腹部に意識を集中しているせいか、俊哉さん自身が、どくどくと欲を吐き出している様子が伝わってきた。

「え、笑美っ……このタイミングで、それはヤバい」

 額に汗を滲ませ、眉根を寄せながら瞳を潤ませたつらそうな表情に、胸がときめいてしまう。

(俊哉さんのこの顔、私だけが見ることができるものなんだな。それってすごく嬉しい――)

「俊哉さん……」

「おかしいな。俺が感じさせてるはずなのに、倍になって返されてしまった」

 俊哉さんはちょっとだけ項垂れて、ナカから自身を抜き去り、私の体にのしかかった。俊哉さんの体重が容赦なくかけられたため苦しくて、肩をバシバシ叩きながら、つらいことをアピールする。

「悪い、あと少しだけ待ってくれ。俺の傍に笑美がいることを感じたい」

「でも苦しいです」

「俺の愛の重さと思って、ぜひとも感じてほしい……」

「無理言わないでください。潰れそうなんですよ」

「しょうがない、さっさと片付けて笑美に手を出す」

 私に頬を寄せてトロンとしていたというのに、次の瞬間には機敏な動作で起き上がり、下半身の処理を手早く終えたかと思ったら――。
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