かぐや夢の如し
はぁ…着いてきてしまった
いや着いてきたと言うよりは連れてこられたの方が正しいんだが
返事を聞かれる前に腕を持たれて半ば引きづられる形で連行されてしまった

「着いた、ここが屯所だ」
「屯所…?」
てっきり長屋や持ち家に案内されるかと思えば屋敷に近い大きな家に連れてこられていた。
それにしても、私が来ない間に人が随分と変わっている。
人の在り方も衣、建築までも変わり果てていた。
変わらないものこそあれど変わるものも当然にある。
やはり妾が知らぬとこで変化していくのは寂しいものか


「何黄昏(たそがれ)てんだ、置いて行くぞー?」
「まぁ待ってくれ、今ついて行くから」
独り身で誰も知らない土地を尚且つ屋敷に入るのは些か難易度が高いだろう。
不審者と間違えられかねん













そして私は扉近くに掲げられている『新撰組屯所』という文字を見えていなかった
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