snowscape~彼と彼女の事情~
つーか、正反対だよな……
この二人。
酒も入っていないのに、このテンションの亜紀に違うタイプの友里……。
そんなことを考えてタバコをふかしてると、視線を感じる。
んっ……!?
それは明らかに横からくるもので「なに?」と隣にいる友里に話しかけた。
「あ、いや……気分悪くしたかな?って思って」
「あ、全然!俺と隼人はいつもこんな感じだからさ」
「気にしないで」と後から付け加えると、「はい」と嬉しそうに笑い俺があげた白クマを眺めていた。
不思議チャンだな、この娘……
タバコを灰皿に押し付けると「何か歌ってよ」と小さく話しかけた。
歌が終わった亜紀と隼人は、やっぱり二人の世界に入っていて俺が話しかけなければ
残された俺たち二人は間違いなく沈黙の嵐だろう……
「あ、はい、でも緊張する」
暗いこの部屋の中でも分かるくらい友里の顔が赤らめているのに気づくとなんだか俺までも恥ずかしくなるくらいだった。
「じゃあ、俺が選曲するよ!いい?」
「はいっ」
そう元気な声が聞こえた瞬間、デンモクに手を伸ばし曲定めをすると友里はやっぱり少し距離を開けながらそれを覗きこんでいる
「じゃ、コレ……」
亜紀の選曲とは正反対のバラードを……
友里はこんな曲が似合いそうだなと勧めると恥ずかしそうに笑いながらも頷いていた。