snowscape~彼と彼女の事情~
隼人の母ちゃんは、俺に会ってもあの時のように笑わなくなった。
そして、俺の母ちゃんとすれ違っても話もしなかった。
『なぁ、隼人っ…母ちゃんたち、なかなおりしないのかな』
『うん、きっとすごいケンカしちゃったんだろうね』
そのうち、俺と隼人は二人で公園で遊ぶようになり
もちろん雨の日は家から出れなかった
『どうゆうことだよ!!隼人クンの奥サンから会社に連絡がきたぞ』
『知らないわ!!そんなのでたらめよ、証拠あるの?』
俺が寝たとでも思っていたのだろうか、それともそんなこと気にしてなかったのかは定かじゃないが、親父とお袋の毎晩に渡る言い合いは続いていた。
そして俺が中学に入る頃になると、隼人の両親は離婚した
俺の両親は、あの時は分からなかったけど仮面夫婦という分類に入っていたらしい。
俺のお袋はその頃から狂ってた。
隼人の親父と関係が続いていたのかは分からない
他の男だったのかも分からないが、親父がいない日中はほとんど電話をしていた。
もちろん、その相手は男なんんだろう
お袋の笑顔がそれを物語っていたんだ
夜、晩御飯を作ったら、シャワーを浴び綺麗な服装に着替えてキツイ香水をふりかけ出かけていく。
親父が帰ってくる前に逃げるように……
きっと、お袋は知らなかっただろうな
俺が毎晩、そんなお袋を尾行していたことなんかーーー