意地っ張りな恋の話



あたしのこと見かけて、走って追いかけてくれたの?


そんなことを考えた瞬間、また心臓がどくりと嫌な音を立てた。


違う違う、別に特に意味があって追いかけてきたわけじゃないから。


「何、こんないっぱい食べんの?」

「別にあたし一人で食べるわけじゃないからね?!」

「っ、わかってるよ、何ムキになってんだよ」


くつくつと可笑しそうに笑う顔がいつもより幼くて、また心臓がおかしい。

いつからこんな小娘みたいになっちゃったんだあたしは。


「絢が女の子とそんな馴れ馴れしく話してんの初めてみたー!お姉さん何者?」

「馴れ馴れしく…って」

「バイト先の人。柚璃」

「あぁー!!!!これが!!!」


これ??
これとはなんだ失礼な。


さっきまで耳を塞いでいたせいで乱れた髪をサラリと梳いてくれた手に気を取られていると、遠くから高い声が聞こえた。


「絢くーん?急に走ってっちゃうからメグびっくりし………

……誰その人」

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