意地っ張りな恋の話
◎◎
「…その顔どうした」
絢くんが引き気味に聞いて来た。
どうしたもこうしたもない。
昨日あのガキ…ヨルくんに絡まれてから、どうにかこうにかうちに帰った。
けどあの子が言っていた言葉がどうにも頭に残って、もやもやして、
気づけばコンビニにチューハイを買いに走っていた。
そして5本目の缶を開けたところであたしの記憶は途切れた。
よく今日バイトに来られたと思う。
「あー…ちょっとね、酒を」
「なんだその声、ばあさんみてぇ」
容赦なく心を抉ってくる絢くんはいつも通り綺麗な顔で。
むくみにむくんでいる自分の顔がますますみっともなく感じた。
「柚璃ちゃんか絢、どっちかお使い行って来てくれる?」
厨房から顔を出した店長にこれ幸いと、間髪入れずに返事をした。
ちょっと散歩して、コーヒーでも飲みながらむくみをとろう。
「大丈夫かよ、二日酔い」
「あー、ちょっと気持ち悪いくらいだから大丈夫」
「…ほんとかよ」
眉間に皺を寄せた絢くんに見送られながら、
近所のスーパーへと歩き出した。