【完】ひとつ屋根の下、気がつけばあなたがいた

「きっと……真白達が熱を出したり具合いが悪かったらこうやってお菓子とか本を買って来てあげてたんだろうなあ…」

それを想像するとくすりと笑みが零れ落ちた。
優しいお兄ちゃん。

碧人さんに愛されて育ってきたのを、三姉妹を見ればすぐに分かる。
私も碧人さんみたいなお兄ちゃんがいたら、何かが変わっていたかもしれない。

「だるすぎて、本とか読めねーっつーの……」

一人で悪態をつきながらも買って来てくれた雑誌を手に取る。

’思いやりのある人なんだ’ずっと知っていたけれど
悪魔と呼びつつも、何だかんだ面倒見が良い。 口を悪く見せても人を放って置けない正義感の強い人。

「ふふ…知ってるんだから……」

それと同時に私の脳みそレベルを真白達と同じだと思っている。
妹のように扱われているだけ。
だから事故キスの事は気にしないようにしよう。

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