【完】ひとつ屋根の下、気がつけばあなたがいた
「さっき、賃貸住宅を探してたみたいね。引っ越しでもするの?」
「ええ、まあ……」
もしかしたら、この人…私が碧人さんの実家に住んでいるのを知っているのだろうか。
碧人さんがペラペラと喋っているんじゃないか。だって元カノだし、その位話していても不思議ではない。
でもそれをペラペラと碧人さんが彼女に喋っているの、何か嫌だ!
「今、碧人の家にいるんでしょう?」
嫌な予感的中。 碧人さんの口軽男。そう罵ってやりたかった。
誰にも知られたくなかった事だけど、藤枝さんに知られるのは一番嫌だった。
「どうして藤枝さんがそれを知ってるんですか?」
後ろに一つに束ねた髪の毛をかき上げながら、余裕な態度で彼女が口を開く。
「まあ、碧人とは長い付き合いだし、今でもご飯を食べたりするからね。色々と訊いているの」
やっぱり碧人さんが言ったんじゃん!
絶対藤枝さんに私の悪口を言っているに決まっている。