【完】ひとつ屋根の下、気がつけばあなたがいた

「そうですか。でも別に……特別な事じゃないですから。 伊織さんの、奥さんと私が友達なのでその関係で」

「ふぅん、そうなの。
碧人って昔から面倒見がいい所があるのよね。困っている人を放って置けない優しい所があるの。
私、そういう碧人の事大好きだった。」

それはまるで懐かしむように、少しだけ照れくさそうに彼女は口を開く。
だからもっと嫌な気持ちになる。

それって自分だけが知っている碧人さんって事を言いたいの? もしかしてまだ、碧人さんの事好きなんじゃあ……。

苛立ちをあえて顔に出さずに、にっこりと笑ったまま頷く。

「瀬能さんから聞きました。藤枝さんって学生時代から小早川さんと付き合ってたんですってね。」

「あら、そんな噂があるの?
もう結構昔の事だけどね。
碧人には歳の離れた妹達がいるじゃない?
蛯原さんは可愛らしいから、妹みたいに放っておけないんじゃないかなって思ったの。
だから実家で預かってるって聞いて、納得したわ」

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