可愛いキミは、僕だけの××
せんぱいの体温や息遣いを思い出し、また1人で赤くなった。
夢なんじゃないか何度か頬を抓ってみたけど、現実だ。
また今度、と言っていたけどあれ以来目すら合わないしなぁ。
あの言葉は社交辞令だったんだろう。
名前もおそらく荻野先輩か瞳さんから聞いたんだと予想した。
あんまり、過度な期待はしない方が自分の為だ。
あんなに近付けたんだから、これ以上欲張っちゃだめよね
チラッとせんぱいの方を見ると、真剣な表情で先生方と話している。
………あぁ、やっぱりかっこいいな、好き。
「希ちゃん」
名前を呼ばれ振り向くと、瞳さんがいた。
腰まで伸ばしたサラサラな亜麻色の髪を涼しげなポニーテールにしていて、とっても素敵。
「蓮夜くんのこと、熱い目で見てるわね」
「え、そんなこと……」
「うんうん、分かるよ。
かっこいいもんね、蓮夜くん」
もちろん私は大和一筋だけどね、と瞳さんがおどけたように笑う。
……うっ、私の気持ちはバレバレみたいだ。