可愛いキミは、僕だけの××
「あ、おーい!希ちゃん!」
えっ、私呼ばれてる?
恐る恐る振り返ると、戸梶先輩が満面の笑みでこちらに手を振っていた。
そんな遠くから呼ばなくても……!
と思ってしまったのは仕方ないと思う。
だって、女子達の「なんなのよあの子」というそれはそれは痛い視線が突き刺さるから。
私は控え目に手を振り返し、足早に立ち去ろうとした。
すると、戸梶先輩が「ちょっと待って!」と、何故か秋元先輩の手を引いてこっちにやって来る。
なんでこっちに来るの!?
待ってと言われた手前勝手に立ち去る勇気もなく、言われるがまま立ち止まっていたら2人が私の前に来た。
髪も体も濡れていて、色気たっぷり漂わせてる。
なんとなく見てられず、目を逸らしちゃった。
これが水も滴るなんとか、ってやつかな!?