嘘カノでも幸せになれますか

あっ、そうだった。今日毛先が少し跳ねてたんだ。

それに、靴下も家のその辺にあった可愛くないやつ。

今日体育があったからカバンがパンパンだし。

今日の私、全然可愛くなーーーい!

「咲希ぃ~、助けて・・・」

女子力の高い咲希に私の体を全部預けて、女子にしてもらったことは、暖先輩にはナイショ。

咲希は無駄のない動きで私の髪型をヘアピンで可愛くアレンジしてくれて、薄くメイクもしてくれた。

体育があったからって、とてもいい香りのするデオドラントまで貸してくれて。

「よし、できあがり! ま、柚葉はそんなに手を加えなくても十分かわいいんだけどね。自覚がないだけなのよ」

「咲希は優しいな。慰めてくれてありがとう」

ああ、なんて素晴らしい人と友達になれたんだろう。

「ありがとう、咲希」
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