【新装版】BAD BOYS







「……椿」



「ん?」



「ん?じゃないわよ。

さっきからわたしのこと見てばっかりで全然進んでないじゃない」



ムッと眉間を寄せるその姿までかわいく見えるなんて、末期。

はなびが覗き込んできた俺の手元の問題集は当然ながらほぼ白紙で、はなびが顔を上げたのをいいことに「イチャイチャしない?」と声をかける。



「しません。もう夏休み終わるわよ?」



「……まだ一週間以上あるって」



「あなた絶対残りの課題やらないじゃない」




図星をさされて、「だって」と机に顔を伏せる。

今日だって本来は、どこかにデートに行くつもりだったのに。はなびが「あ、課題終わってない」と言い出したのが発端で。



デートの予定も特に決めてなかったし、それじゃあお家デートにしようか、とは言ったけど。

まさかこんなに本気で課題はじめられるとは思わないじゃん。俺だってわざわざ課題を家まで取りに帰ったけど、やる気なんてない。



そもそも、すみれの面倒を見るときに課題をかなり進めたから、シイよりは確実にやってるし。

もうなんでもいいからイチャイチャしたい。



「……それか、わたしが課題終わるまでの間、

『花舞ゆ』に行ってきてくれたって構わないけれど、」



「なにその拷問」



今日もはなびの方が起きるのが早くて、朝起こしてくれた時はしあわせを噛み締めてたのに。

それ以降に甘さが全くと言っていいほどない。



せっかくふたりきりなのに、と。

内心でため息をついていたら、「ねえ」と俺を呼ぶはなびの声。



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