【新装版】BAD BOYS



「……はなび、

こうやってくっついてんの好きだな」



俺も好きだけど。

ぎゅっと抱きしめ合ってる時間をしあわせだと感じてくれているのが、はなびから伝わってくる。



「ん……ノアのとき、忙しかったし……

こんな風にゆっくりしてること、なかったから、」



「、」



「……いっしょにいられるの、うれしくて」



ああ、そう……か。

いままでずっと、言いたいわがままも言えずに我慢してきたから。だから、か。



ねだるときに照れないのは、あの人にも言いたかったわがままで。

素直に照れてくれるのは、俺のわがままに対する彼女のまっすぐな感情。




「……ノアと付き合ってたときね、「すき」って言うのがどんどんこわくなって、言えなくなって。

抱きしめて欲しいってわがままも、いつの間にか言えなくなっちゃって、」



「……うん」



「でもノアはわたしのことよくわかってるから、何も言わずに抱きしめてくれるんだけど。

……そうじゃ、なくて。分かり合ってたとしても、言葉が欲しかったの」



どれだけ好きな気持ちも、結局相手に言わなければ伝わらないわけで。

今まではずっと封じ込めてきたそれも、気兼ねなく言えるようになった。だから、逃したくない。



「椿……好き」



「俺も好きだよ、はなび」



運命の赤い糸が例えば繋がっていないんだとしたら、強引に手繰り寄せるまでだし。

切れてるんだとしたら、括って繋ぎ合わせる以外に選択肢なんかないじゃん?



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