私達は結婚したのでもう手遅れです!
「すみません。冬悟さん。図々しいことをお願いされて気を悪くしましたよね……」

私がそう言うと、冬悟さんは私からの断りの返事だと思ったらしく眉をひそめた。

「私と出かけるのは嫌ですか?」

「冬悟さんが嫌なんてことはありませんっ!」

むしろ、そんな女性がいるのでしょうかと聞き返したいくらいですっ!と心の中で叫んだ。
私の返事に気をよくしたのか、冬悟さんは優雅にほほ笑んだ。

「よかった。それじゃあ、お店がお休みの時にでもいかがですか?次のお休みは?」

「え!?はっ、はいっ!」

頭の中で火山が爆発した。
容量オーバー。
こんなことあっていいの!?
平々凡々な外見の私があんな美しい人の隣を歩く?
黒塗りの車に冬悟さんが乗る姿をボッーと夢心地に見送った。
完全に私は乙女モード。
天にも昇る気持ちとはこのことだ。
でも、次の休みにと言った冬悟さんとのデートは実現しなかった。
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