私達は結婚したのでもう手遅れです!
なんだか納得がいかない。
トラブルがあったらしく、夜のお店に私を連れて冬悟さんはそのトラブルの後始末をしているところだ。

「竜江くーん。久しぶり。今日はお酒飲まないの?」

「冬悟さんだけ連れてきてくれたらよかったのに」

「そうよ。気が利かないんだから」

私を見る目が冷たい。
確かに美女揃い。
でっ、でも、着物は似合うって言われてるんだから。
小さい時から着物だけは……って。
あれ、まさか七五三的な似合うとかじゃないよね?
違うよね……?

「おい。羽花さんに挨拶してからにしろよ」

竜江さんはいつもとは違う軽い空気はなく、低い声と鋭い目で笑いながら言った。
女の人達はハッとしたように私に挨拶をして離れて行った。

「竜江さんもやる時はやるんですね」

「は!?俺を下っ端みたいな扱いにすんなよ!」

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