【書籍化】利害一致婚のはずですが、ホテル王の一途な溺愛に蕩かされています
月末で退職した私は、どうにか有給をもぎ取ったみゆき共に、シンガポールのセントラルエリアにある、ホテル“グランツ・ハピネス”にやってきた。

イベント参加のみのツアーのため、一泊三日という弾丸ツアーになってしまったけれど、久々のみゆきとの旅行。私は眠れないほど楽しみで仕方なかった

「――うわぁ、テレビで見ていた以上だ。まさか、本当にグランツに来れるだなんて……。別世界だね」

「うんうん、何度来ても圧倒されるわ」

老舗ならではの格式の高いエレガントなロビーは、オープン前にも関わらず人がちらほら見える。私たちみたいなイベントへの参加者や関係者だろうか。

入口のパンフレットによると、50階建てのホテル内にハイブランドショップ、高級レストラン、リゾートプール。それだけならまだしも。高層階には、新設された映画館フロアや政府公認のカジノフロアまであるらしい。

日本では考えられない、壮大なスケールに胸が踊る。海外旅行や出張は何度も経験したけれど、こんなにラグジュアリーなホテルははじめてだ。

「こんな豪華な旅行受け取っちゃっていいのかな」

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