【書籍化】利害一致婚のはずですが、ホテル王の一途な溺愛に蕩かされています
「そうだよ。君、7のナンバーカードを持ってないか?」

そう言いながら、彼は首に下げた7のカードが挟まるパスケースをポケットから覗かせて私に尋ねる。つられて私の方も理解できないまま、首に下げていたパスケースを見せる。

「はい、そうですが……」

まるで、病院の待ち合い室のような、おかしなやり取り。しかし、彼は安堵したようにシャツの胸ポケットにケースをしまう。

「――やっぱり。今、イベントミッションがはじまって、まずは同じナンバーの人とファーストコンタクトを取ってくれという指示があったんだ。俺にだけパートナーが現れなくてね。さっき、君が外に出ていくのが見えたから、もしかしたらと思って……」

まさか見られていたなんて。彼みたいなに素敵な人なら、相手なんて選り取り見取りだろうに。わざわざ私のことを探してくれたんだ。とても真面目な人らしい。

「すみません……なんだかひとりでいたら場違いな気がしてしまって……圧倒されたというか」

正直に謝罪すると、彼は「謝らないで」と微笑み、少しだけ距離を置いて隣に腰を下ろす。
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