【書籍化】利害一致婚のはずですが、ホテル王の一途な溺愛に蕩かされています
それがどういうわけか、同じ会社の。同じ部署の。それもピッッチピチの新入社員と授かり婚するだなんて。私との関係は彼にとって暇つぶしのようなものだったのかもしれない。
あまりのショックから、大学卒業後から三年間お世話になった国際事業部の部長に、来月いっぱいの退職届を手渡し、涙を堪えながらここまでやってきた。同じビルの美容部員のみゆきに電話をして。気弱な私には、元カレ夫婦と同じ会社に留まる精神力なんか持ち合わせていない。
「やっぱ男の人は若くてキャピキャピ元気で可愛いほうがいいのかな……」
新しい恋人(いや、私が浮気相手かもだけど)と終始イチャコラしていたトモキを思い返し、ふいに呟く。するとみゆきの手元からカラン!とグラスの音がした。
「そんなことないわ。男を間違えただけよ。咲笑はもう少し自分に自信を持って。私は奥ゆかしい清純派の咲笑の可愛さに憧れてるんだから。特に井上と付き合う前の頃とか、まさに無垢な美少女って感じで可愛かったのに」
少し酔いが回っているのか、みゆきから壮大なお世辞が飛んでくる。
「そんなわけないでしょ……」
あまりのショックから、大学卒業後から三年間お世話になった国際事業部の部長に、来月いっぱいの退職届を手渡し、涙を堪えながらここまでやってきた。同じビルの美容部員のみゆきに電話をして。気弱な私には、元カレ夫婦と同じ会社に留まる精神力なんか持ち合わせていない。
「やっぱ男の人は若くてキャピキャピ元気で可愛いほうがいいのかな……」
新しい恋人(いや、私が浮気相手かもだけど)と終始イチャコラしていたトモキを思い返し、ふいに呟く。するとみゆきの手元からカラン!とグラスの音がした。
「そんなことないわ。男を間違えただけよ。咲笑はもう少し自分に自信を持って。私は奥ゆかしい清純派の咲笑の可愛さに憧れてるんだから。特に井上と付き合う前の頃とか、まさに無垢な美少女って感じで可愛かったのに」
少し酔いが回っているのか、みゆきから壮大なお世辞が飛んでくる。
「そんなわけないでしょ……」