わけあってイケメン好きをやめました
 会計を終え、虹磨さんの車でそのまま自宅まで送り届けてもらった。
 大丈夫だと伝えたのに、心配だったのか家の中にまで上がり込んでくるから驚いた。
 私たちは遠慮し合うような仲ではないけれど。

「堤、寝るなら食事をしてからだ。って言っても、なにもないじゃないか」

 不躾に冷蔵庫を開けて中を確認する虹磨さんに冷ややかな視線を送る。
 たしかに最近は食材を買い足していなくて、調味料や玉子くらいしか入っていない。

「こんなんじゃ栄養失調になるぞ?」

「あとでコンビニにでも買いに行きますよ」

「ダメだ。今日くらいおとなしくしてろよ。そうだ、デリバリーを頼もう。疲労回復にはなにがいいかな」

 虹磨さんがリビングのソファーに座ってスマホで検索し始めた。
 放っておいたら食事をとらないかもしれないと危惧しているのだろう。

「あの、着替えてもいいですか?」

「ああ」

 いったいいつまでいるつもりなのかと思いつつ、寝室で部屋着に着替えてリビングに戻ると、バッグの中からスマホの着信音が聞こえた。

「……徹平くんが電話してきました」

「早く出ろよ」

 虹磨さんから少し離れて背を向けた私はドキドキしながら通話ボタンを押した。

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