わけあってイケメン好きをやめました
 珍しく叱られてしまった。
 いつもは私があれこれ細かいことを言い、虹磨さんは苦笑いで受け止めているから、今は完全に逆だ。
 だけど今回は私が悪い。正論を口にする虹磨さんを見ていると、ちゃんとした大人の男性なのだなと当たり前のことを思った。

「普段は風邪も引かないのにな」

 腕を組みながら、虹磨さんが渋い顔で視線を送ってくる。

「俺、前に言ったよな? 徹平に本音を伝えろって。ふたりはどうなってるんだよ」

「だから今夜話をする予定で……それで気が滅入っちゃって。彼の言葉を受け止める勇気がないんですよ」

「話って?」

「別れようって言うつもりなんでしょう」

 心の声を吐露した途端、目にじわりと涙が浮かぶ。
 それをごまかすため、自虐的におどけて笑ってみせた。

「でも延期ですね。体調不良で病院に来てるから今夜は会えないって、彼にメッセージしておきます」

 バッグからスマホを出し、素早く文章を打ち込んで送信した。
 さすがに今日は既読がつくだろう。

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