わけあってイケメン好きをやめました
「……ごめんね」

 喉を詰まらせながら言葉を紡ぐと、彼がひどく寂しそうな顔をした。

「俺と住むの、嫌?」

「違うよ。私ひとりで勘違いして空回ってたから。ダメな彼女だよね」

 徹平くんはどうしたらふたりでいられる時間を作れるかを考えてくれていたのに、彼は別れを選ぶだろうと勝手に思い込んで。
 こんな交際は嫌だと告げられる日が来るのが怖くて怖くてたまらなかった。私は本当に女としてダメだ。

「水を飲んでいったん横になりましょう」

 徹平くんはソファーから立ち上がった私をそっと横抱きにして寝室のベッドへ運んでくれた。
 病院帰りだと言っても、自分で歩けるのに。
 薄明かりの中、ペットボトルの水をごくごくと飲んで横になると、付き添うように彼が床に腰を下ろすのが見えた。

「そうだ、デリバリーを頼まなきゃ。食べさせなかったら虹磨さんに怒られます」

 徹平くんはフフッと小さく笑みを浮かべてスマホをいじり始める。

「そばにいてね」

 忙しくしている彼を引き留めるのは申し訳ないとわかりつつも、自然とそんな言葉が口をついて出た。

「もちろん。今夜だけは帰れって言われても離れないから」

 寝返りを打って体を横に向けると、彼がスマホを床に置いて私の頬にそっと手を添えた。

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