わけあってイケメン好きをやめました
 ゆっくり腕の力をゆるめた彼と視線が絡み合う。
 至近距離で目にした表情はとても蠱惑的で、私にはもったいない彼氏だ。
 ぼうっと見惚れていたら、互いの唇が重なった。
 しだいにそのキスは様相を変え、しっとりと深くなっていく。

「あ……このままだと俺、襲いそう」

「……いいよ?」

「今日はダメ。愛する人が具合悪いのに、自分勝手に抱けないですよ」

 気持ちが高まった中で愛し合えないのは寂しいけれど、こうして気遣ってくれるやさしい徹平くんにますます愛しい気持ちが湧いた。
 
 私の運命の人はきっと、彼だと思う――――。


「じゃあ、私が元気になったら、そのときに」

 薄明りの中でも、彼が照れて顔を赤らめたのがわかった。

「美和さん、自分がなにを言ったかわかってます?」

「え……うん」

「知りませんからね。今夜おあずけ喰らった分、上乗せで愛しますから」

 こういうところは仔犬系男子なのだけれど。
 ベッドの中では激しくて情熱的だということは、私しか知らなくていい。

 彼の頬を両手で包み、自分から顔を寄せてもう一度キスをした。



 ――――END.

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