アクセサリーは 要りません
そう言って、示し合わせた訳でもないのに、白いTシャツに色は違うけれど薄手のパーカーでデニム姿の、俺と似た格好をした惠美里を抱きしめた。身体に力は入っているけれど、されるがままだ。しばらくこうしてよう。春の風が吹き抜けている木陰で抱きしめていた。しばらくしたら、惠美里も抱きしめ返してきた。
「惠美里、やっぱりキスしたい」
そう言って顔を覗き込んだ。でも困ったような顔をして今度は俺のマスクを押さえた。
「私がウイルス持っていたら
大変な事になってしまう。
生徒も2週間、
あんなに我慢しているのに、
私だけでなく山口先生まで
持ち込んだら広がっちゃう」
惠美里の言うとおりだ。正しい、でも。
「じゃあマスク同士で予行練習」
そう言ってマスク越しにキスをした。
「惠美里、やっぱりキスしたい」
そう言って顔を覗き込んだ。でも困ったような顔をして今度は俺のマスクを押さえた。
「私がウイルス持っていたら
大変な事になってしまう。
生徒も2週間、
あんなに我慢しているのに、
私だけでなく山口先生まで
持ち込んだら広がっちゃう」
惠美里の言うとおりだ。正しい、でも。
「じゃあマスク同士で予行練習」
そう言ってマスク越しにキスをした。