アクセサリーは 要りません
全身に電流が走った。人生初めてキスの時より衝撃的だ。え?マスクだからか?惠美里のおでこに自分のもくっつけて動けずにいた。

少し正気に戻ってきて、惠美里を見ると茹で蛸のように真っ赤になって少し震えていた。もう一度抱きしめたら少しずつ落ち着いてきた。

「ごめん、嫌だった?」

「ううん」

「大丈夫?」

「うん」

「震えてるの、収まってきたね」

「あ、心配させてごめんなさい。
あの、私、初めてだったの」

「うん、俺も」

「え?」

そう言って惠美里は顔をあげた。

「マスク越しはあんな感じなんだね?
あれ?どした?」

さっきまでは抱きしめられている格好で、頬が俺の肩に付いていたのに、今は頭頂部が胸に付いて顔は真下を向いてる。

「惠美里?」
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