アクセサリーは 要りません
「お待たせ。
腫れてる目を隠せる技術は
私にはないから、
見苦しくてごめんなさい。

うわっ凄いね。後ろの座席倒したら、
こんなにラゲージ大きくなるのね?
あれ?ちょっと、前側に上がったら
ちゃんと寝れるんじゃない?」

「いや無理だろ?足曲げなきゃだろ?」

「私はいけそうだけれど、
背高いから斜めにならないと
入らないかな?
試してみて?ほらほら、靴脱いで」

言われた通りに、俺は一旦起き上がり靴を脱いで、ちょっと良いこと思い付いて、座る場所を横にずらした。

「惠美里もここ座って上がってみ?」

「え?2人は無理じゃない?」

「ぶつからないように斜めに
なったらいけそうって思って。
試してみよ?
端で悪いけど、そこで靴脱いで
横になれる?

そうそう、で、俺が斜めだよね」

そう言って、クローズボタンを押した。ゆっくりドアが閉まってロックがかかった。
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