アクセサリーは 要りません
そう言いながら、伊吹くんは背中にキスをしている。背中の唇が、「ここ」というところに触れるときに、私の口から声が上がっていたが、段々伊吹くんはその場所が分かってきたみたいで、そこばかり、背骨沿いの肩甲骨の下、ばかりキスをしだし、やがて舐め始めた。

「いっ伊吹くん、
あぁっやんっうっ」

「惠美里、もう少し進もうか?」

と言って、後ろから片方の指は胸に、もう片方は下半身に、そして背中を舐めた。

「ん、あ、そこはダメなのに
どうしてそこばかり?」

「うん?こうして通り道を少しでも
柔らかくして通りやすくしておくと
辛くないからね?」

次に自分の声とは思えない声に気づいた時には、両脚を広げた真ん中に伊吹くんの頭があり、私の片手はその伊吹くんの頭を、もう片手は枕を掴み、腰を浮かしていた。
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