アクセサリーは 要りません
帰りは白川沿いの柳の下をのんびり帰ってきた。時折、伊吹くんは私の左手の指輪を、繋いだ手で確認していた。

ホテルに戻ると外国人のスタッフからラウンジに案内され、冷たいスイカのジュースと一緒にほうじ茶と抹茶の氷菓を持ってきてくれて、どれも甘すぎずで美味しかった。日本語はまだ勉強中という事で伊吹くんも一緒に15分ほど英語で3人で話していたが、さすがパイロットの訓練生、難なく話していた。なんでもこなしてしまう所が格好良すぎて、でも真摯に授業準備する姿も知っているので努力家なのも知っていて、そんなステキなパイロットが「私なんかと結婚して良いの?」という後ろ向きの気持ちも顔を覗かせた。
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