アクセサリーは 要りません
お部屋に戻り、伊吹くんに促され先に温泉に入った。髪も身体も洗って湯船に浸かっていたら、伊吹くんが入ってきた。

未だ夕方、このまま上がるには明るすぎるので、動けない。伊吹くんは髪と身体を洗い終わると湯船の方にきた、と思う、ずっと洗い場を背にしているから分からないけれど。

「惠美里、入ってきてごめん。
湯船も入って良い?」

もう、どうして良いかも分からないけれど、少し端に寄ったら伊吹くんがそこに入った。後ろから抱きしめて肩に顎を乗せてきて、

「なぁ、惠美里?
ホテルに帰ってきてから
なぜご機嫌斜め?

俺、何かしちゃった?」

「う〜ん、英語も難なくこなす
のを見ていて、普段の努力家
なのも知っているから、
そんなステキな伊吹くんに
『私なんか』釣り合うの?の
気持ちが出てきちゃったの」
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