アクセサリーは 要りません
最終章

1ーSide惠美里

また東京に緊急事態宣言が出てしまっていたので、「解除され次第ご挨拶に行きたい」と伊吹くんは旅行からの帰り道に私の部屋に寄って、お母さんに電話をしてくれた。「お父さんも自主隔離中だから気にせずに」と喜んでくれていた。

学校の当番をこなしたり、リモートで研修を受けたりの合間のお休みは、伊吹くんと出掛けたりした。伊吹くんはリモート研修の時間と当番以外、ほぼ私の部屋に住んでいる状況になった。

少しずつコロナの足音が再び聞こえ始めている中ではあったけれど、感染対策をしながら、信楽に出掛けたり、猪目窓(ハートの窓)や天井画のお寺へ出掛けて風鈴の音で涼を楽しんだ。
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