アクセサリーは 要りません
目覚めると伊吹くんの顔が目の前、穏やかに眠っている伊吹くんの寝顔を眺めていた。なんだか泣けてきて、この人と今まで生きてきた人生以上の長い日々を、一緒に生きていくんだという嬉しさを噛み締めていた。

温泉に入り、お化粧もして着替えていたら、伊吹くんが起きてきた。

準備してチェックアウトをした後、荷物を預かってもらって、お隣の老舗茶屋で朝ごはん。何が出てくるのかと楽しみにしていたら、お粥が。ここのお粥は出汁の効いた餡がかかっていて、美味しい。「お出汁の国の子で良かったね」と言って笑い合って食べた。庭園を眺めながら好きな人とゆっくりと食事が頂けるという幸せに涙が出そうだった。

その後、南禅寺と疏水沿いをお散歩して、荷物を取りにホテルへ戻ってから、次の日の勤務も考えて、早めに帰った。
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