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「では、新任の先生をご紹介ます。
今年は2名の先生を
お迎えいたしました。

数学の山口先生と英語の宇部先生です。
では、山口先生お願いします」

教頭先生は立ち上がりパソコン前の席を山口先生に譲った。

「おはようございます。
山口伊吹(やまぐち いぶき)です。

ここ至誠学院の卒業生です。
中2の皆さんが生まれた年は
私が1年生として
ここで過ごしていた年です。
2年の数学を担当します。

私がここにいた頃と
色々な事が変わっていますが、
ここで過ごした6年間は、
今の私には
大事な宝物のような日々です。
皆さんにもそう思ってもらえる
手伝いができれば嬉しく思います。
よろしくお願いします」

山口先生は立ち上がり教頭先生と入れ替わった。

「私が至誠へ来た年に
担当した生徒が
先生として帰ってきてくれて
本当に嬉しく思います。
真っ黒に日焼けした野球少年が
大人になって帰ってきてくれました。

では、次、宇部先生お願いします」

「はい」

そう言って私は教頭先生と入れ替わりパソコンの前に座った。

「宇部 惠美里(うべ えみり)
と申します。

初めて親元を離れ、
初めての1人暮らし、
初めて京都に住み始めました。
当たり前って言われそうですが、
初めての男子校。
たくさんの初めての緊張の春と
思っていましたが、
皆さんは私より10歳も若い時から
この事を乗り越えている
先輩なのですね。

そんな皆さんにお会いできた事を
嬉しく思っています。
もちろん先生としてここにいるので
私が知っていることは1つでも多く
皆さんにお伝えしていきます。
先輩の皆さんも色々教えて下さいね。

感染防止の2週間が過ぎたら
顔を合わせてお話しましょう。

英語で喋る時には
どうぞEmilyと呼んでください。
日本語で話すときは、
宇部先生と呼んでください。

あと、柔道黒帯なので、
柔道部や体育で柔道自信がある
という皆さんからの手合わせも
募集しています。
感染予防の環境が整えばぜひ。

では、どうぞよろしくお願いします」

ホッとして立ち上がり教頭先生に席を譲って、山口先生の横の席に戻った。
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