異国の地での濃密一夜。〜スパダリホテル王は身籠り妻への溺愛が止まらない〜
さらに鋭利な棘が俺を突き刺した。
反論する隙を与えないように母親は一方的に話を終わりにし、俺を部屋から追い出そうと言うのが痛い程肌にひしひしと伝わってくる。最初は肌で感じるだけだったが今ははっきりと目に見える俺に対する拒絶感。真緒の母親は過去の事が相当なトラウマとなっているのだろう。
けれどここで怯んでは負けだ。俺の気持ちはその程度なのかと思われてしまう。しつこいと思われるくらい俺の気持ちを伝えるしかない。
「あのっ」
「ごめんなさい、今日は体調が悪いので。真緒も早く休みなさい」
言葉を遮られる。
「お母さん、ちゃんと話を聞いてほしいの」
真緒が膝の上でぎゅうっと拳に力を入れているのが目に入った。真緒は優しい子だ。母親をとても大切にしている。勇気を振り絞って声を出してくれたんだろう。
「聞いてどうするの? 真緒、私は貴女にずっと言っていた約束があったわよね? 真緒はお母さんとの約束を破るとでも言いたいの?」
「それは……」
泣きそうになってしまった真緒は俯きながら小さな声で「ごめんなさい」と呟いた。それは母親に聞こえたかは分からないが俺にはしっかっりと聞こえた。
母親は長く大きな溜息をついた。
反論する隙を与えないように母親は一方的に話を終わりにし、俺を部屋から追い出そうと言うのが痛い程肌にひしひしと伝わってくる。最初は肌で感じるだけだったが今ははっきりと目に見える俺に対する拒絶感。真緒の母親は過去の事が相当なトラウマとなっているのだろう。
けれどここで怯んでは負けだ。俺の気持ちはその程度なのかと思われてしまう。しつこいと思われるくらい俺の気持ちを伝えるしかない。
「あのっ」
「ごめんなさい、今日は体調が悪いので。真緒も早く休みなさい」
言葉を遮られる。
「お母さん、ちゃんと話を聞いてほしいの」
真緒が膝の上でぎゅうっと拳に力を入れているのが目に入った。真緒は優しい子だ。母親をとても大切にしている。勇気を振り絞って声を出してくれたんだろう。
「聞いてどうするの? 真緒、私は貴女にずっと言っていた約束があったわよね? 真緒はお母さんとの約束を破るとでも言いたいの?」
「それは……」
泣きそうになってしまった真緒は俯きながら小さな声で「ごめんなさい」と呟いた。それは母親に聞こえたかは分からないが俺にはしっかっりと聞こえた。
母親は長く大きな溜息をついた。