異国の地での濃密一夜。〜スパダリホテル王は身籠り妻への溺愛が止まらない〜
戦闘服のスーツに身を包み込み、腕時計で時刻を確認する。左手には今朝早く起きて作ったお弁当を紙袋に忍ばせてきた。なんとなく買ったお菓子などではなく自分で心を込めて作ったものをお母さんに渡したいと思ったからお弁当を作ってみたはいいものの、なんだかお弁当を持ってくる男ってキモいような気がしてきた。
九時五十五分、十時五分前だ。人差し指を伸ばし呼び鈴を押すと「はい」とインターホン越しに少し元気がない真緒の声。
ゆっくりと開く玄関ドアから顔を覗かせた真緒はやっぱりどこか浮かない表情。
「真緒、おはよう。体調は大丈夫かい?」
「総介さん……体調は大丈夫です。でも母とはまだ」
「そうか、しっかりお母様に話をしたいのだけど、お母様の体調はどうかな? もし悪いようならまた後での方がいいよね」
「でも、今朝起きてきたので話をしようとしたんですけど、私の話も聞いているのか、聞こえないふりをしているのか返事をしてくれなくて。結局部屋に戻っちゃって具合が悪いって布団から出てこないんです」
「そうか……じゃあドア越しでもいいから挨拶だけでもさせてもらおうかな。真緒はどこまでをお母様に話したのかな?」
九時五十五分、十時五分前だ。人差し指を伸ばし呼び鈴を押すと「はい」とインターホン越しに少し元気がない真緒の声。
ゆっくりと開く玄関ドアから顔を覗かせた真緒はやっぱりどこか浮かない表情。
「真緒、おはよう。体調は大丈夫かい?」
「総介さん……体調は大丈夫です。でも母とはまだ」
「そうか、しっかりお母様に話をしたいのだけど、お母様の体調はどうかな? もし悪いようならまた後での方がいいよね」
「でも、今朝起きてきたので話をしようとしたんですけど、私の話も聞いているのか、聞こえないふりをしているのか返事をしてくれなくて。結局部屋に戻っちゃって具合が悪いって布団から出てこないんです」
「そうか……じゃあドア越しでもいいから挨拶だけでもさせてもらおうかな。真緒はどこまでをお母様に話したのかな?」