異国の地での濃密一夜。〜スパダリホテル王は身籠り妻への溺愛が止まらない〜
 聞くと妊娠しているかもしれない事も母親の返事は無かったが全て一通り話したと。
 母親の部屋の前まで案内してもらいドアの前に正座をし、軽くドアを二回叩く。深く息を吸い呼吸を整える。


「お母様、体調の方はどうでしょうか。昨晩は急にお邪魔してしまって申し訳ございませんでした。しつこいと思われてしまうでしょうが本日もお母様にお話がありお邪魔させてもらいました。お母様もお気づきかと思われますが私は真緒さんを愛しています。プロポーズもさせていただきました。まだ検査をしていなので確実ではないのですが真緒さんのお腹の中には子供がいるかもしれません。私は真緒さんを愛しています。子供がいる、いない関係抜きで私は彼女と結婚したいと思っています。どうか私のことを認めてはもらえないでしょうか?」


 ……しばらく待ったが返事はない。寝ているのかもしれない。
 それでも俺はまだ話し続ける。
 

「お母様は真緒さんが私と結婚したら真緒さんが離れていってしまう事を心配されていましたが私は結婚しても真緒さんとお母さんは近くにいて欲しいと思っています。お母様から大切な娘さんを奪おうと言う気持ちは一切ありません。結婚後の生活を心配しているのでしたら結婚しても真緒さんに家事を任せきりにもしません。俺もやります。とにかく真緒さんに不自由はさせません、必ず彼女を幸せにし、守り抜くと誓います」


 ……やはり返事はない。


「今から妊娠しているか検査してみます。結果はまた報告させていただきますね」


 ……やっぱり返事はなかった。また後で話してみよう。
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