「お前は一人でも大丈夫」ですって?!~振る際の言葉にはご注意下さい。
*
「はー。お腹いっぱい。美味しかったー」
満足とばかりに千夏が満面の笑みをこぼした。深夜0時を過ぎ、空では星々がより一層輝きを増す時刻。
千夏はお酒で火照った身体をフラつかせながら、使用したお皿を片付けるため、キッチンへと向かい、お皿を洗い始めると、後ろから陽翔が覆いかぶさってきた。
「千夏さん、洗い物なら俺がやりますよ」
陽翔の唇が千夏の首筋に触れる。
ひゃー、なっ……なに何。
何なの……。
一気に体温が上がり心臓が早鐘を打つ。
「ねえ……千夏さんダメ?」
ダメって何が?
何がですか?
フリーズし、考え込む千夏を見た陽翔が、楽しそうにクスリと笑った。
「電車もう無いから、泊まっていっても良いですか?」
あっ……そう言うこと……って、泊まっていくの?
まって、泊まっていくと言うことは……やっぱり。
ほっとしたり、あせたり、顔を青くさせたりしながらも千夏は大人の余裕を見せるべく、大きく息を吸うと「いいわよ」と答えた。すると陽翔がニヤリと笑った。
「千夏さんもしかして今、やらしいこと考えてるでしょう?」
「ちっ……違うわよ!」
まさしくその通りだけど……。千夏は平静を装うふりをしてみるも、全てはバレバレだった。
どうして陽翔くんと一緒にいるとこうなるのかな?
調子狂うなー。
もっと大人の余裕を見せなければ……。
「陽翔くんここは大丈夫だからシャワー浴びちゃいなさい。まだでしょう」
すると陽翔は子供のように「はーい」と言い、シャワーを浴びにキッチンから出て行った。やっと離れた陽翔にホッとしつつも、次に起こるであろう出来事に、千夏は胸の高鳴りを押さえられずにいた。